
疑似科学入門/池内了
「疑似科学入門」といっても「疑似科学」の「入門書」ではありません。
筆者が世の中の「疑似科学」を批判するのが目的の本のようです。
しかし、この本自体が「疑似科学」と言われてしまいそうな内容なのです。
批判対象に対する無知・無学が露呈して、論理が破綻しているところさえあります。
筆者は著名な天文学者・宇宙物理学者だそうですが、学会の権威ともなれば、誰も誤りを指摘することができないのでしょう。
浮世離れした学問の世界と実社会とのギャップが浮き彫りになっているような気がします。
- 2008/06/28(土) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

チョコレートの真実/キャロル・オフ
『世界で最も愛されるお菓子・チョコレート。その甘さの裏には、苦い真実がある。』
お菓子のチョコレートが甘いのは大量の砂糖が加えられているからで、原料であるカカオは苦いのです。
でもここで言う真実とは、カカオの生産現場で横行している子供の強制労働や奴隷労働によって、カカオの価格が不当に安く抑えられているという事実です。
そうした状況を改善するための解決策が「フェアトレード」だったはずです。
しかし、「フェアトレード」を謳った製品を扱っていた企業がいつの間にか大企業に身売りしていて、「フェアトレード」の定義を変えてまで、より安価に製品を市場に出そうとしています。
大国主導の解決策はいつもこういった欺瞞に満ち溢れています。
一次産品でしか経済が成り立たない途上国の利益を、先進国が「合法的に」搾取するという構図は、昔も今も、そしてこれからも続きそうです。

チョコレート工場の秘密 フィルム・ブック/ロアルド・ダール
- 2008/06/24(火) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

犯罪不安社会 誰もが「不審者」?/浜井浩一・芹沢一也
日本の治安の悪化が当然のことように語られるのを聞くと、私は無性に腹が立ってきます。
何を根拠に治安が悪化しているというのでしょうか。
本書を読めば、日本の治安は決して悪化しているわけではないということがわかります。
今回は少し詳しく内容を見ていきたいと思います。
『第1章 犯罪統計はどのように読むべきか』
警察の発表する犯罪統計は注意して読まないといけません。
意図的な数値の操作が行われているということではなく、警察の活動方針の転換により治安の実態とはかけ離れた数値が出てくることがあるからです。
具体的には、警察発表の暴行・傷害の認知件数が2000年に前年比で40%近くも増えているのですが、検挙率は逆に下がっているのです。
実際の日本の社会で、たった一年でこれほど治安状態が変化したとは思えません。
原因は、警察の活動方針がある事件をきっかけに大きく転換したからなのです。
その事件とは1999年に発生した桶川ストーカー事件です。
このときの警察の不手際や怠慢に批判が集中したのは記憶に新しいと思います。
そしてその批判に応えるために、警察に持ち込まれる困りごと相談や事件通報に積極的に対応するようになったのです。
急激に増えた相談件数に呼応して認知件数も増えたのですが、それを処理する能力を超えた件数を受け付けるようになったため、検挙率のほうは逆に下がってしまったのです。
この警察の活動方針の転換を知らずに数値だけを見てしまうと「治安が悪化した」と勘違いしてしまうのです。
警察の活動方針に影響されにくい統計調査として、厚生労働省の人口動態統計というものがあります。
この統計の「加害に基づく傷害および死亡人員数」を見ると、1984年以降は多少の増減はありますが減少傾向にあり、2000年以降は単調に減少しています。
ほかにも法務省の犯罪白書にも紹介されている「犯罪被害調査」を見てみるとわかりますが、ほとんどの犯罪が2000年以降は減少しています。
これらの客観的統計みても「治安が悪化した」とは到底いえないのです。
もう一つ、「少年非行の低年齢化」について同様に犯罪白書の数字を見てみると、少年非行のピークの年齢は高齢化しており、またピークそのものも減少しているのです。
そして暴走族も同様に減少かつ高齢化しています。
そして、ここで問題なのは「少年非行の報道の見出し」なのです。
たとえば、見出しに「中学生ら」とあっても実際の主犯は20代の若者だったりするのです。
マスコミはどうしても「少年非行は低年齢化している」ということにしたいようです。
さらに筆者は全国を対象として無作為抽出で次のような質問で調査を行っています。
「2年前と比較して、自分が住んでいる地域と日本全体で犯罪が増えていると思いますか?」
その結果は、自分が住んでいる地域で「とても増えた」と回答している人は3.8%なのに対して、日本全体では49.8%となっています。
つまり、『自分の周りでは治安はそれほど増えていないが、日本のどこかでは治安が悪化している』と感じているということだそうです。
「日本のどこか」ってどこなんでしょうね?(笑)
朝日新聞の記事で「凶悪+殺人」というキーワードで検索してヒットした件数を見ると、多少増減はあるもの1980年代後半から徐々に増え続け、2000年代後半には4倍にもなっています。
しかし、実際の殺人の認知件数は1980年代後半は減少していて、1990年代以降はほぼ横ばいになっています。
同じように「子供+不審者」で検索すると、1997年以降は増加傾向にありますが、同時期の他殺による子供の死亡者数は減少傾向になっています。
・・・
本当は4章全部見ていきたいのですが、私の文章力も時間も足りませんので、ブログではここまでにしておきます。
- 2008/05/26(月) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか/城繁幸
前作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』を読んで、その続編だと思って読むとちょっと違和感を覚えます。
インタビューに答える人たちは「3年で辞めた若者」だけではないからです。
年功序列のレールに最初から乗らなかった若者もたくさん出てきます。
「最近の学生はやる気も忍耐力も自主性もない」となげく大企業の人事担当者がいるそうです。
この大企業はすでに「やる気があって前向きで意識の高い学生たち」から相手にされていないのだという現実に気づいていないようです。
「昭和的価値観」そのものである年功序列のレールはすでに破綻していて、今の20代の社員の20年後のレールの先が見えてないのです。
そんな企業をわざわざ希望する新卒がいるとは思えません。
ところで、この本にはよく「アウトサイダー」という言葉が出てきますが、この言葉を使う人の立場によって意味が違っているのではないでしょうか。
少なくとも、普通に働いていてる堅気の人をアウトサイダーと呼ぶのはちょっとおかしいと思います。
それとも、いくつかある「密輸サイダー」のブランドのひとつですか?(笑)
- 2008/04/30(水) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

ある首斬り役人の日記/フランツ・シュミット
本書は、16世紀後半から17世紀にかけてのニュルンベルクの死刑執行人フランツ
親方が、その「仕事ぶり」を記録した日記です。
ただし、この日記は人に見せるために書かれたものではなく、フランツ親方も文筆家ではありません。
そのため、不正確だったり解読不能なところもあるようです。
日記を書くに当たってフランツ親方は、個人的な感情を排して処刑者の罪状・刑の執行と方法などの事実のみを淡々と記しています。
それでもというか、だからこそというか、読む人に強烈な印象を与えるのです。
本書は第一部「死刑編」と第二部「体罰編」の2部に分かれています。
興味深いのは44年間の日記の表現が年代とともに変化していくことです。
初期のころは2・3行の単なる記録に過ぎなかったものが、だんだんと描写か詳しくなっていくのです。
それは、犯罪の動機や状況から始まって、刑場に引かれていく処刑者の姿や、処刑直後の処刑者の状態まで書かれていることもあります。
本書は単なる犯罪と刑罰の記録としてではなく、当時の文化史・民俗史としての貴重な史料にもなっています。
たとえば、同じ処刑であっても絞首刑よりも剣による斬首刑のほうが「お慈悲をもって行われる名誉ある刑」だとされていたということです。
他にも、単なる泥棒が絞首刑という極刑にされたり、切り落とされた首や体をさらしものにしたりと、かなりの厳罰でかつ残酷なやりかだったようです。
また、女性は職業が娼婦とだけか書かれていて罪状が描かれていない場合があり、娼婦そのものが刑に値するものであったのかもしれません。
ちなみに公娼という表現も出てくるので、娼婦が「無許可の売春」を意味していたのかもしれません。
実は、この死刑執行人フランツ
親方の日記は、有名な文学作品のなかでモチーフとして使われたり、フランツ親方の名前そのものが使われたりしているそうです。
つまり、この日記は長年埋もれていて最近発見されたというわけではなく、のちの文学にも影響を与えるほど昔から有名であったことがわかります。
- 2008/04/28(月) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

絶対弱者 孤立する若者たち/三浦宏文・渋井哲也
「『絶対弱者』は、障害者ではありません。」とありますが、私は精神的な病気ではないか思います。
いわゆる「まわりの空気が読めない。」のではなくて、自分の置かれている「弱い」立場を直視できない、現実逃避を続ける人たちだと思います。
- 2008/04/04(金) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

9.11オフィシャル・レポート/シド・ジェイコブソン、アーニー・コロン
内容はどうでもいいんです。
「政府の干渉を受けない調査委員会」とはいえ、アメリカ側が作成したものに意味はありませんから・・・。
それより、日本人がこの本を見ると、今時のアメリカンコミックの表現形式がとても新鮮に感じられるかもしれません。
- 2008/03/31(月) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

サイコーですか?最高裁!/長嶺超輝
マスコミは衆議院の総選挙ではあれだけお祭り騒ぎするのに、最高裁判所の裁判官に対する国民審査にはほとんど触れていません。
国民審査について国民の関心が薄いのはマスコミの怠慢が原因です。
この本の後半の3分の1は最高裁判所の現役の裁判官15人のプロフィールとなっています。
これだけでも十分価値のある本だと思います。
- 2008/03/15(土) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:1

自民党で選挙と議員をやりました/山内和彦

DVD:選挙
あまりにも自民党的な「組織選挙」「どぶ板選挙」の実態が描かれていてとても面白かったです。
映画のほうは2007年のベルリン国際映画祭で上映され反響を呼んだそうです。
ドキュメンタリー映画なのですが、選挙の舞台裏にカメラが入り、ナレーションやテロップなどが一切入らず、ただひたすら候補者を追い続けます。
- 2008/02/22(金) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0

ロッカショ 2万4000年後の地球へのメッセージ/STOP−ROKKASHOプロジェクト
せっかくなんだからこういう本はもうちょっと調べてから出してほしかったです。
「放射性物質」や「放射能」の混同や誤用については何十年も前から言われているのに未だに間違えているなんて、読んでいるこちらが恥ずかしくなってしまいます。
イメージだけで「原子力=危険」と考えている人が本を出すとこうなるわけですね。
この手の話題になると「お前は賛成派なのか反対派なのかはっきりしろ」と言い出す輩がいるのですが、人をそんな単純なカテゴリで二つに振り分けることはできません。
「感情で判断する人と理性で判断する人」とか「被害をもたらす人と被害を受ける人」とか「儲ける人と搾取される人」とか、いくらでも細分化できてしまうのです。
敵か味方かが判れば後は「思考停止」して楽をしようという考え方が透けて見えてきます。
「坂本龍一が言うのだから正しい」というのは何も考えていない証拠です。
- 2008/02/16(土) 23:59:59|
- 社会・政治・時事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0