チョコレートの真実/キャロル・オフ

チョコレートの真実/キャロル・オフ
チョコレートの真実/キャロル・オフ
チョコレートの真実/キャロル・オフ

『世界で最も愛されるお菓子・チョコレート。その甘さの裏には、苦い真実がある。』
お菓子のチョコレートが甘いのは大量の砂糖が加えられているからで、原料であるカカオは苦いのです。
でもここで言う真実とは、カカオの生産現場で横行している子供の強制労働や奴隷労働によって、カカオの価格が不当に安く抑えられているという事実です。

そうした状況を改善するための解決策が「フェアトレード」だったはずです。
しかし、「フェアトレード」を謳った製品を扱っていた企業がいつの間にか大企業に身売りしていて、「フェアトレード」の定義を変えてまで、より安価に製品を市場に出そうとしています。
大国主導の解決策はいつもこういった欺瞞に満ち溢れています。

一次産品でしか経済が成り立たない途上国の利益を、先進国が「合法的に」搾取するという構図は、昔も今も、そしてこれからも続きそうです。

チョコレート工場の秘密 フィルム・ブック/ロアルド・ダール
チョコレート工場の秘密 フィルム・ブック/ロアルド・ダール
チョコレート工場の秘密 フィルム・ブック/ロアルド・ダール

  1. 2008/06/24(火) 23:59:59|
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精神科医ですがわりと人間が苦手です/香山リカ

精神科医ですがわりと人間が苦手です/香山リカ
精神科医ですがわりと人間が苦手です/香山リカ
精神科医ですがわりと人間が苦手です/香山リカ

『これまでに会った精神科医の先輩や同僚の中には、白衣うんうん以前の問題でとても医者には見えない、という人が大勢いた。(…)同僚が派遣された病院では、院長がなんと常に羽織はかま姿だったそうだ。』
精神科医に限らず医者の中にも個性的な人はたくさんいるだろうとは思いますが、その人ってほんとに院長だったのでしょうか?患者じゃなくて?
よくある精神病棟ネタで、廊下で白衣を着た「先生」とすれ違って頭を下げたら、看護師さんに「あの人は白衣願望の患者さんです」といわれたというやつですが、それとは逆ですね。

『その人の症状は、誰もいないのに声が聞こえる「幻聴」だった。
「いかがですか?」
「うーん、まだ声がきこえるんですよ。それも宇宙人のような」
そんな会話を交わしていると、隣のベッドの男性が私たちの会話に参加してきた。
「あ、宇宙人の声なら俺も聞こえるよ」
彼もまた幻聴に悩む人だったのだ。二人は顔を見合わせてにっこり笑い私にこう言った。
「ほらやっぱり宇宙人の声は本当にあるんですよ」「聞こえないのは先生が間違っているんだよ」
その場ではきこえる人が二人できこえないのは私だけ。形勢完全に不利だ。私はすごすごと病室を後にした。それ以来、私は「正常か異常か、というのは、結局、多数決の問題なのではないだろうか」と考えるようになった。』
香山先生、精神科医がそれを言ってしまってはおしまいのような気がするんですけど。

  1. 2008/06/22(日) 23:59:59|
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哲学的な何か、あと科学とか/飲茶

哲学的な何か、あと科学とか/飲茶
哲学的な何か、あと科学とか/飲茶
哲学的な何か、あと科学とか/飲茶

筆者の同名のウェブサイトをそのまま書籍したものです。
ウェブサイトの方は更新が進んでいますので、最新の話題はそちらを見たほうが良いでしょう。

二重スリット実験の話で、『電子一個を飛ばした場合、スクリーンにはポツンと点が現れる。これは、電子一個を飛ばしたのだからその一個が当たった場所が「点」として写るということで、当たり前の話である。』とあります。
確かに当たり前の話なのですが、電子銃とスリットとスクリーン上の点が一直線にならないのはなぜなのか説明がありませんでした。

多世界解釈の話では、『多世界なんて日常的な感性では受け入れられない』とあります。
私は別に悩むことなく受け入れられますが、『SFだ!ナンセンスだ!トンデモだ!』と否定すること自体がナンセンスだと思いました。

結局、科学は、いくつかある宗教の一つと同じで、信じるかどうかの問題になってしまったようです。

  1. 2008/06/06(金) 23:59:59|
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オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫

オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫
オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫
オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫

冒頭で『昭和が死んで次のステージに入ったことを、なぜ誰も教えてくれなかったのか?』とありますが、そんなことを誰かに教えてもらおうと期待していること自体がおかしな話です。
別に「オタク」はそんな時代の変節など気にする必要もないと思います。

タイトルから想像して、「オタクの自虐ネタ」でも書いてあるのかと思ったら違いました。
かつての「SF」と比較しながら「オタク年代史」を語っています。
自称「隠れオタク」の私としては、「ふ〜ん、オタクってそうだったのか」と認識を新たにすること頻りでした。

本書の帯にはガバガバのズボンをはいている岡田氏の写真がありますが、本書の中身とはまったく関係ありません。
ここまであざといとはねぇ・・・。

  1. 2008/06/04(水) 23:59:59|
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グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換/ニコラス・P.サリバン

グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換/ニコラス・P.サリバン
グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換/ニコラス・P.サリバン
グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換/ニコラス・P.サリバン

この本は、世界の最貧国の一つであるバングラデシュで、携帯電話サービス「グラミフォン」を立ち上げるまでの軌跡を紹介しています。
「軌跡」であって「奇跡」ではありません(笑)。

バングラデシュでは、携帯電話を持てばそれだけで個人の貸電話業が成り立ちます。
おそらくバングラデシュの国民の多くが、携帯電話により生活が豊かになるでしょう。

『援助ではなく、ビジネスチャンスを』
これは確かにそうだと思います。でも、
『我々の孫の世代は、貧困については博物館で知るようになるでしょう』
これはどうでしょか。
この本には携帯電話によるプラスの面は多く書かれていますが、マイナスの面はほとんど書かれていません。

私は個人的には携帯電話は持ちたくありません(デジカメの代わりとして実は持ってますけどね)。
なくても生活には困らないし、あればあったで振り回されるし・・・。
子供にまで携帯電話が普及した日本では、今「新たな貧困層」が生まれているような気がしますが、気のせいでしょうか?
  1. 2008/06/02(月) 23:59:59|
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犯罪不安社会 誰もが「不審者」?/浜井浩一・芹沢一也

犯罪不安社会 誰もが「不審者」?/浜井浩一・芹沢一也
犯罪不安社会 誰もが「不審者」?/浜井浩一・芹沢一也
犯罪不安社会 誰もが「不審者」?/浜井浩一・芹沢一也

日本の治安の悪化が当然のことように語られるのを聞くと、私は無性に腹が立ってきます。
何を根拠に治安が悪化しているというのでしょうか。
本書を読めば、日本の治安は決して悪化しているわけではないということがわかります。
今回は少し詳しく内容を見ていきたいと思います。

『第1章 犯罪統計はどのように読むべきか』

警察の発表する犯罪統計は注意して読まないといけません。
意図的な数値の操作が行われているということではなく、警察の活動方針の転換により治安の実態とはかけ離れた数値が出てくることがあるからです。
具体的には、警察発表の暴行・傷害の認知件数が2000年に前年比で40%近くも増えているのですが、検挙率は逆に下がっているのです。
実際の日本の社会で、たった一年でこれほど治安状態が変化したとは思えません。
原因は、警察の活動方針がある事件をきっかけに大きく転換したからなのです。
その事件とは1999年に発生した桶川ストーカー事件です。
このときの警察の不手際や怠慢に批判が集中したのは記憶に新しいと思います。
そしてその批判に応えるために、警察に持ち込まれる困りごと相談や事件通報に積極的に対応するようになったのです。
急激に増えた相談件数に呼応して認知件数も増えたのですが、それを処理する能力を超えた件数を受け付けるようになったため、検挙率のほうは逆に下がってしまったのです。
この警察の活動方針の転換を知らずに数値だけを見てしまうと「治安が悪化した」と勘違いしてしまうのです。

警察の活動方針に影響されにくい統計調査として、厚生労働省の人口動態統計というものがあります。
この統計の「加害に基づく傷害および死亡人員数」を見ると、1984年以降は多少の増減はありますが減少傾向にあり、2000年以降は単調に減少しています。
ほかにも法務省の犯罪白書にも紹介されている「犯罪被害調査」を見てみるとわかりますが、ほとんどの犯罪が2000年以降は減少しています。
これらの客観的統計みても「治安が悪化した」とは到底いえないのです。

もう一つ、「少年非行の低年齢化」について同様に犯罪白書の数字を見てみると、少年非行のピークの年齢は高齢化しており、またピークそのものも減少しているのです。
そして暴走族も同様に減少かつ高齢化しています。
そして、ここで問題なのは「少年非行の報道の見出し」なのです。
たとえば、見出しに「中学生ら」とあっても実際の主犯は20代の若者だったりするのです。
マスコミはどうしても「少年非行は低年齢化している」ということにしたいようです。

さらに筆者は全国を対象として無作為抽出で次のような質問で調査を行っています。
「2年前と比較して、自分が住んでいる地域と日本全体で犯罪が増えていると思いますか?」
その結果は、自分が住んでいる地域で「とても増えた」と回答している人は3.8%なのに対して、日本全体では49.8%となっています。
つまり、『自分の周りでは治安はそれほど増えていないが、日本のどこかでは治安が悪化している』と感じているということだそうです。
「日本のどこか」ってどこなんでしょうね?(笑)

朝日新聞の記事で「凶悪+殺人」というキーワードで検索してヒットした件数を見ると、多少増減はあるもの1980年代後半から徐々に増え続け、2000年代後半には4倍にもなっています。
しかし、実際の殺人の認知件数は1980年代後半は減少していて、1990年代以降はほぼ横ばいになっています。
同じように「子供+不審者」で検索すると、1997年以降は増加傾向にありますが、同時期の他殺による子供の死亡者数は減少傾向になっています。

・・・

本当は4章全部見ていきたいのですが、私の文章力も時間も足りませんので、ブログではここまでにしておきます。
  1. 2008/05/26(月) 23:59:59|
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葉っぱのふしぎ 緑色に秘められたしくみと働き/田中修

葉っぱのふしぎ 緑色に秘められたしくみと働き/田中修
葉っぱのふしぎ 緑色に秘められたしくみと働き/田中修
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一般向けに書かれたサイエンス本ですが、ところどころ「トンデモ本」のにおいがしてきます。

この本の中に「真っ暗の中で葉っぱは何色?」という章があります。
普通、物の色を聞かれたら、白色の光を当てたときに何色に見えるかを答えるはずです。
ですから、光を当てない真っ暗な状態で、葉っぱ自身が発光していないのなら、黒色に見えるか、何も見えないとしか答えようがありません。
おそらく、葉っぱに白色以外の光を当てたときに何色にみえるかを説明したいがために、黒色の場合を例に出したのでしょうが、余計にわかりにくくなっています。
逆に、光合成に必要な光がなぜ赤色と青色の2つなのか、という疑問には答えてはいません。

ところで、光合成には二酸化炭素が必要ですが、現在の大気中の二酸化炭素の濃度は光合成に足りているのでしょうか。
実験によると、二酸化炭素の濃度を増やすと光合成は促進されるそうです。
この本にも書いてありますが、現在の大気中の二酸化炭素の濃度では光のエネルギーの30%ぐらいしか光合成に使えず、残りは捨てているそうです。
もっと緑を増やしたかったら、そしてもっと植物資源(食料、バイオ燃料)を増やしたかったら、大気中の二酸化炭素の濃度を増やすべきなのです。
しかし、このご時世に「大気中の二酸化炭素の濃度を増やすべきだ」などと書いたら、発禁本にもなりかねませんね。

  1. 2008/05/24(土) 23:59:59|
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キーボード配列QWERTYの謎/安岡孝一・安岡素子

キーボード配列QWERTYの謎/安岡孝一・安岡素子
キーボード配列QWERTYの謎/安岡孝一・安岡素子
キーボード配列QWERTYの謎/安岡孝一・安岡素子

アメリカ人の名前やら会社名やら地名やらと、やたらにカタカナが多くて読み辛かったです。
翻訳本だから仕方がないかなと思って、最後にあとがきを読んでびっくりしました。
著者は日本人だったんですね。

「タイプライタのQWERTY配列は、本当はどのようにして決まったんだろう。」
「『タイピストが打ちにくいようなキー配列』なんていうガセネタを最初に流したのは誰で、このガセネタはどう広まっていったのだろう。」
これらの疑問を明らかにしてくれるのが本書です。

昔の機械式のタイプライタを使ったことのある人なら知っていると思いますが、「タイプバーのジャミング」はいつも同じバー同士で起こるわけではありません。
機構的というよりは打つ人の癖によるところが大きいと思います。
また、「キーの配列」と「タイプバーの配列」が同じ順番である必要もありません。
それではなぜ「打ちやすい配列」にしなかったのかというと、結局、タイプライタを作る側・売る側の都合で決まっていったということなのです。

あとがきの最後の一文が過激です。
「願わくば本書の読者も、今後は『アンチQWERTY説』に向かって石を投げて下さることを、切に望む次第である。」
けんかを売ってどうするの?
これでは著者もアンチQWERTY派と同じ、低いレベルに見られてしまいますよね。
  1. 2008/05/22(木) 23:59:59|
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死体に目が眩んで 世界残酷紀行/釣崎清隆

死体に目が眩んで 世界残酷紀行/釣崎清隆
死体に目が眩んで 世界残酷紀行/釣崎清隆
死体に目が眩んで 世界残酷紀行/釣崎清隆

釣崎清隆氏は死体専門のカメラマンです。
この本は「写真集」ではありませんが死体の写真も載っています。
死体そのものの写真もすごいですが交通事故で飛ばされた腕だけの写真もすごいです。
特に女性と思われる指輪をした手首の写真は指がとてもきれいなのでびっくりします。

写真とはちがって釣崎氏の文章は軽いタッチで読みやすいです。
そして最後の文章が決まっています。
『俺はジャーナリストではない。俺はアーチストだ。俺は死体カメラマンだ。』
  1. 2008/05/14(水) 23:59:59|
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ゲーム的リアリズムの誕生/東浩紀

ゲーム的リアリズムの誕生/東浩紀
ゲーム的リアリズムの誕生/東浩紀
ゲーム的リアリズムの誕生/東浩紀

結局、著者の「データベース消費」という造語が最後まで引っかかって内容はあまり理解できませんでした。
「データベース」が「消費」される状況がどうしてもイメージできないのです。
私の中では、「データベース」は「構築」するものであって「消費」するものではありません。

あと、「ポストモダン」て言葉もこれだけ頻繁に使われると手垢にまみれてきて読むほうもうんざりしてきます。
まあ、最近のライトノベルや美少女ゲームはかなり進んでいるというか突き抜けているというか、それが判っただけでもいいかなと思っています。

  1. 2008/05/12(月) 23:59:59|
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